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2013/3/22

OpenStack Day Tokyo 2013

3月12日(火)に開催された、OpenStack Day Tokyo 2013 に参加してきました。 会場は東京・秋葉原の秋葉原コンベンションホール。 OpenStack専門カンファレンスとしては国内初の試みでしたが注目度は高く、どのセッションもほぼ満席、 展示ブースにも人が溢れていました。

因みに、OpenStackとは…
IaaS基盤を構築するオープンソースソフトウェアの一つで、よく比較される対象としては、CloudStackがあります。  OpenStackは2010年7月に米国のホスティング事業者であるRackSpace社とNASAが共同プロジェクトとして立ち上げ、中心となって開発してきましたが、2012年9月に非営利団体のOpenStack Foundationに移管され、より特定ベンダーの技術に偏らないソフト開発が実現されています。
OpenStack Foundationには、850を超す企業や組織が参加しており、富士通や米Intel、米IBM、日本電気、などがプラチナメンバーとして参加、そのほか日本企業としてはソニーやトヨタ、パナソニック、日立などがメンバーとなっています。

当日は、OpenStack Foundationの共同創設者、Mark Collier氏による基調講演に始まり、国立情報学研究所(NII)でクラウド基盤運用技術を研究分野とする横山重俊氏の講演、その後はOpenStack利用の事例やソリューションの提案を中心とする講演が行われました。
今回はその中から、Mark Collier氏のOpenStackな話と、ちょっと気になったベンチャー2社の商材を取り上げてみました。

■ “Say No to Vendor Lock-In & Say Yes to Freedom” by Mark Collier

Collier氏は冒頭で、OpenStackはCodeであり、Communityであると表現、ここにいるだれもがCommunityの一員になれるとし、OpenなCommunityで作り上げるCodeであることを強調、以下の特徴を挙げていました。

  • 誰もがその開発計画を見ることができ、半年に1回のペースで新しいバージョンがリリースされる。
  • 更に、次期開発の内容は、1年に2回開催されるDesign Summitで、ユーザーと開発者が集まり、一体となって決定される。
  • Contributor(投稿者)も50社800人からなる。
  • 開発者がそれぞれのプロジェクトリーダーを決める。

こんな多様性に富んだプロジェクトは類を見ないのではないかとCollier氏はコメントしていました。

次に氏は、OpenStackの活発なCommunityやOpenStackの盛り上がりとして、下記の事例を紹介。

  • Communityは個人の登録者数が8461人、会社登録が174社となっている。
  • OpenStack Foundationの参加数も飛躍的に伸びており、2012年9月に5600人で立ち上がってから現在までで、個人法人合わせて8500人に到達する勢いである。
  • 1分間に2万6000ドルを売り上げるPayPalや世界に69箇所のデータセンターを保有するIntelなど、大規模なシステム構築にOpenStackが採用されている。
  • つい2週間前にOpenStackの運用経験者がテキサスに集結し、5日間で230ページからなるOperation Guide(運用マニュアル)を完成させた。

運用マニュアルについては、このイベントの1週間前に公開したところ、既に2000人がダウンロードしており、地域別で見ると東京は4位となっているとのこと。 プレスなどは出しておらず、Twitterやblogに記載しただけこの反響であることから、OpenStackの注目度の高さを物語っているといえます。

このように、OpenStackが注目される理由として、Collier氏はOpenStackが作るエコシステムをあげています。 FacebookやApple、Microsoftも強力なプラットフォーム・エコシステムを作り上げ、今日の成功を掴んでいるとし、 エコシステムの3つの要素が重なり合った中心にこそ大きな力が生まれる、そのどれが欠けても意味を成さないと語っていました。

OpenStackは、OpenStackソフトウェア、それを支えるツール/サービス/ソフトウェア、そしてパブリッククラウド/プライベートクラウドを利用するユーザーの3つの要素でエコシステムが組まれています。これらがオープンなコミュニティで推進され、様々な業界によって支援されているからこそ大きな力となって行く。
AWSはこの業界の巨大なリーダーではあるが、OpenStackはその内在的なオープン性により、加速度的に世界中のユーザー、開発者を巻き込んで行けるとしています。 氏は最後に、”Say No to Vendor Lock-In & Say Yes to Freedom” (ベンダーロックインにNoを、自由にYesを)と強いメッセージを残し、講演を締めくくりました。

オープンで、誰でも参加できる開発環境であるからこそ、大きな力を生み出す。 特定なベンダーにロックインされないことこそが、ユーザーの最大のメリットであるという意思がが伝わってくる内容でした。
この後は、その講演内容を証明するように、支援している各業界の方のセッションや、OpenStackを利用したソリューション紹介のセッションが夕方まで続きましたが、その中で、個人的に興味を持ったベンチャーのソリューションを2つご紹介。

モーフ・ラボ (MorphLabs)

米国ロサンゼルスに本社を置く、企業向けクラウドソリューションを提供するベンチャー企業 現在までに、フィリピン、シンガポール、日本に事業所を展開。

– オープンソースは常に80%程度の完成度である。これを企業に利用できる状態にして、提供することを目指している。
その言葉通り、OpenStackをベースにパブリッククラウドが簡単に導入できるソリューションとして、mCloudシリーズを開発。

市場に求められているニーズに対して、それぞ以下のようにまとめていました。
高費用対効果  → Hyper Density(高収容率)によるコスト減
スモールスタート(拡張性) → モジュール化することでスモールスタートを実現
簡単導入/簡単メンテナンス → 反復性が重要。簡単に導入と拡張が繰り返せるシステムであること。
これらをmCloud Osmium というMorphsLabが提供するSoftwareが実現する。

mCloud Osmiumはすぐに導入可能なパブリッククラウド基盤として、マルチテナント対応、ビリング機能も併せ持っており、他のオープンソースのソリューションと組み合わせることで監視やセキュリティ機能も追加し、安定運用可能なOpenStackインフラ基盤として提案している。

Best OpenStack Aliance を2月に受賞したとのことで、注目度も高く、企業がR&Dコストをかけずに自社にクラウド環境を即導入したいと思うのであれば、魅力あるソリューション提案であると感じました。

Midokura

日本発のTechベンチャー企業。 ネットワーク仮想化技術により、真にクラウドインフラの利点を享受できるソリューションを提供しようと起業された。東京、サンフランシスコ、バルセロナの3拠点で開発を行っている。
– 「MidoNet+OpenStackで明日から使えるクラウドIaaS」をコンセプトに話されており、実際に1日で構築した展示用実機をブースにおいていました。
MidoNetは、先進的なSoftware Defined Network (SDN)ソリューションで、物理ネットワークの壁をネットワークの仮想化で破壊しようとしている。 クラウドの可用性を上げようとすると、常にネットワーク機器のボトルネックや、拡張性、コスト過多が問題になる。そういった問題を解決する為に、MidoNetは”Intelligence@the Edge”として、オーバーレイ型の分散システムを採用。必要なアンダーレイネットワークは、IPでつながるならば、基本的に何でも良いとのこと。高機能は必要なしとしている。MidoNetは物理と仮想ネットワークが完全分離されており、Compute Node(つまり、Edge) に仮想ネットワークを配置している。コントローラーもEdgeで動いている為、Edgeを増やせばスケール(拡張)することが可能になっている。ClusterにはConfigurationしか置いていない為、ボトルネックになることもない構成となっている。

この説明に対して、実際はEdgeのCPU依存になる為、ネットワーク負荷が上がったときにCompute NodeのCPUを占有してしまうのでは?といった指摘や、各Edgeにしか構成情報がないとすると、自分のEdgeにない情報を捜しに行く動作がボトルネックになるのでは?といった具体的な質問がいくつか飛んでいましたが、検証結果を見る限りは問題なく、物理ネットワークと比較しても遜色ないという回答でした。 もちろん、これらは利用用途によっても影響される内容ですし、製品事態もビジネスReadyになったとはいえ、これからもまだ改良の余地はあるのかと思いますが、非常に興味をそそられる内容でした。


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