「Plesk」導入でコマンド要らず

“初心者にやさしい”って本当?
文系記者がGMOのクラウドサーバ
「ALTUS(アルタス)」でWebサイトを立ててみた

専任のIT担当者を置かず、業務部門の担当者にサーバ管理などを任せる例が、中小企業やベンチャー企業などで散見される。そんな“ムチャぶり”を受けた人の助けになるのが、GMOクラウドが提供するIaaS型パブリッククラウドサービス「ALTUS(アルタス)」である。UIを工夫し、初心者でも簡単に使いこなせる点が特徴だ。今回は、文系出身の記者が同サービスをゼロから体験し、その使い勝手をレポートする。

本業は別にあるのに、経営陣や上司から「サーバを立てて、管理・運用をやっておいてね」などとムチャぶりされました――。専任のIT担当者を置いていない中小企業やベンチャー企業の社員からは、時折こんな“お悩み”が聞こえてきます。

一連のタスクを任された人は、「新たなプロジェクトの発足によりWebサイトが必要になった」「新入社員のメールアドレスの追加をしなければいけない」などと困ってしまうのだといいます。

提供元が運用を代行してくれるレンタルサーバや、低価格で運用できるVPSを利用してみよう! と考える人も多いそうですが、いずれもアプリの追加や容量・台数の変更ができないなど、長期運用を考えると柔軟性に欠ける課題があります。急な負荷の増大には対応できないので、「一体、私はどうすればいいの?」と嘆く人も多いのではないでしょうか。

文系記者が「ALTUS」構築に挑戦

そんな担当者に手を差し伸べる“初心者でも使いやすい”サービスが、GMOクラウドが提供するIaaS型パブリッククラウドサービス「ALTUS(アルタス)」です。ALTUSは、複数台のサーバを構築して使い分けたり、ニーズに応じて拡張したりといったIaaSならではの特徴を持つのはもちろんのこと、何より「使い方が簡単」なのがウリとのこと。障壁となる課題は早めにつぶすのが賢いサーバ選択のコツといえますね。

同社の田 しんもんさん(営業部 マーケティンググループ)は、「試しに記者さんもサーバを立ててみてください。やれば分かりますよ」と自信満々です。

……ですが、この記事を書いている記者は、今でこそIT業界を取材しているものの、学生時代は考古学を専攻していた“ド文系”。授業で土器をつくったことはあるのですが、クラウドサーバを立てた経験はありません。


GMOクラウドの田さん(=左)と記者

普段触れているクラウドツールはメールやゲーム、ストレージなどのSaaSが中心で、サーバなどのIaaSはほとんど触ったことがないのが正直なところです。

田さんからのムチャぶりを受けた記者は、「本当に簡単にできるの? 学生時代にITを学んだ人や、エンジニア経験がある人にしか使えないのでは?」と疑いつつも、「ALTUS」を構築し、簡単なWebサイトも公開してみることにしました。

田さんに送ってもらったリンクをクリックし、「ALTUS」公式Webサイトにアクセスすると、「14日間無料で始める」と書かれた目立つバナーを発見。記者はまず、それをポチっとクリックしてみました。

すぐ申し込みフォームに遷移したので、続いて氏名やメールアドレスなどの個人情報を入力しました。ここまでは、特に迷うことなく進められました。


「ALTUS」の申し込み画面

登録したメアドに送られてきた確認メールを受信し、URLをクリックすると、画面はサーバ管理で使用するダッシュボード「ALTUSポータル」のログイン画面に切り替わります。この手続きに要した時間は、わずか約1分。田さんによると、なんとこれだけで「申し込みは完了です」とのこと。


記者が田さんに教えてもらう様子

ただ、本番はこれからです。ログインを終えると、サーバの設定ができる管理画面が開きます。この画面では、仮想サーバの新規作成・停止・再起動・削除・復元のほか、グローバルIPアドレスの新規取得などが可能です。

設定画面のレイアウトは、(1)詳細な設定が可能な通常タイプ(コンソール)と、(2)機能を絞ってUIを工夫し、初心者でも使いやすくしたタイプ(設定管理)――の2種類。ユーザーの知識に応じたものを選べる仕様になっています。

知識に不安がある記者は、迷わず後者を選択。やはり画面表示は簡単で、全体をざっと見ただけで「あ~、こういう感じね」と何となく使い方が分かりました。

続いて、「セキュリティ対策を最初にしておきましょう」という田さんのアドバイスを踏まえ、セキュリティグループを追加してファイアウォールの設定でサーバの通信に必要なポートを空けるようにルールを登録しました。


ファイアウォールの設定画面

設定画面で必要なポートを解放していると、今度は田さんから「Plesk(プレスク)を使うから、8447番と8443番は開けておきましょうね」との助言が。

「Plesk」はコマンドラインを入力しなくても、コントロールパネル上のメニューを選択するだけでサーバの操作・設定ができるツールで、「あの真っ黒な画面が出てきたら何をすればいいんだろう」とビビッていた記者も一安心です。

さて、セキュリティグループの設定が完了すると、いよいよ仮想サーバの立ち上げですが、この手続きもとても簡単。設定管理画面の「仮想サーバ作成」ボタンをクリックした後、ゾーンを選定し、名前を付け、リソースを選択する――という作業をポチポチやるだけで完了です。

ちなみに、サーバのリソースはCPUコア数1個、メモリ容量1GB、ルートディスク20GBと小規模な構成にしました。こうしたステータスが設定画面ですぐ確認できる点も初心者には安心です。


ボタンを押すだけで、簡単にサーバを構築できる

記者が立ち上げたサーバのスペック

「Plesk」を導入、すぐにWebサイト公開

文系記者の人生初となるサーバ構築は、こうして瞬く間に終わりました。あまりにも早く終わったので、記者は「まあ、オレの頭脳を持ってすればこんなものさ」と調子に乗りかけたのですが、田さんは「まだ終わりじゃないですよ! 今回はWebサイトも公開するので、グローバルIPアドレスの割り当てもやってください」と至って冷静です。

このステップも「え、難しそうだな」と困った記者ですが、仮想サーバのステータス画面で「IPアドレス」をクリックし、「新規グローバルIPアドレスを取得」→「追加」を選択するだけで終了。サクサクと手順が進んでいきます。


IPアドレスの設定画面

先ほどの「Plesk」を活用するのは、次のステップです。利用方法は「https://グローバルIPアドレス:8443」というログインURLをブラウザに入力するというもの。入力を終え、ライセンスキーをたたくと、「ウェブサイトとドメイン」「メール」「アプリケーション」など、一目見るだけで用途が分かる直感的なデザインのコントロールパネルが立ち上がりました。


ログインURLをブラウザに入力するだけでスタート

Webサイトの公開をするので、今回は「ウェブサイトとドメイン」メニューから「新規ウェブスペースの追加」を選択。使用したいドメイン名を決めて、IPアドレスなどの詳細を入力すると、すぐに追加することができました。難解なコマンドラインが要らないのは本当にありがたいです!

続いてドメインの管理画面へと移行し、(1)WordPress、(2)アプリ、(3)カスタムウェブサイト――の3パターンから、Webサイトの作成方法を選択します。


コマンドラインなしで作業できる「Plesk」のコントロールパネル

WordPressでもワンクリックで簡単にインストールできますが、記者がWordPressに関する知識がなかったため、今回は(3)の中のHTMLを利用することにしました。ただ機会があれば、いつかWordPressにも挑戦してみたいものです。

HTMLファイルをアップロードしただけで、グローバルIPアドレスをブラウザに打ち込みとすぐに「ALTUSを使ったHTMLテスト!」と書かれたWebサイトを公開することができました。


表示されたWebサイト

最初からここまでに要した時間は、わずか30分程度。初心者の記者でも、サーバを構築・Webサイト公開することが本当にできてしまいました。

UIとサポートに自信

ハードルが高いイメージのあったサーバ構築を、なぜここまで簡単にできるのでしょうか――。そんな記者の疑問に対して、田さんは「専門用語を使わず、直感的な操作に対応したUI(ユーザーインタフェース)にこだわったためです」と説明します。

それでもうまく操作できない人向けには、電話相談も受け付けているとのこと。記者が今回、田さんに助けてもらったのと同じように、一般ユーザーも担当者に操作方法を聞きながらサーバを立てることが可能なのです。


GMOクラウドの田さん(=左)と“サーバ初心者”の記者

実は、記者が途中で使った「Plesk」は欧州などで事業を展開するPlesk社が提供するツールで、GMOクラウドは代理店に当たるそうですが、「長年取り扱ってきた実績とノウハウがあるので、当社がサポートを担当します」と田さんは話します。

「『ウチの製品じゃないから、英語でPleskさんに聞いてください』とユーザーを見放すことはしません。『セキュリティ対策をどうすればいいか分からない』といった小さな相談にも乗りますよ」(田さん)

GMOクラウドは、「Plesk」の日本国内No.1の販売シェアを誇るほか、仕組みに精通した認定資格所持者も日本市場で第1位の24人と多数(ともに Plesk社調べ、2018年12月時点)。豊富な知識と実績に基づいて、まさに初心者にとって“至れり尽くせり”の環境を用意してくれているんですね。

町の花屋さんも「ALTUS」ユーザー

そんな同社が手掛ける「ALTUS」は現在、中小・ベンチャー企業だけでなく、学校法人や市役所などの自治体、花屋さんなどの小売店にも導入され、担当者の業務を助けているそうです。

「あまりITに詳しくないのに、上司からムチャぶりされた」「どんなサーバが自社に適しているのか分からない」と悩む担当者は、まずは文系記者でも簡単に構築できた「ALTUS」を検討してはいかがでしょうか。


転載元:ITmedia NEWS
ITmedia NEWS 2019年4月8日掲載記事より転載
本記事は ITmedia NEWS より許諾を得て掲載しています
記事URL https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1904/08/news005.html