2012年6月18日にスタートした株式会社イグレックスさまの「ワイメール」は、ユーザーごとに個別の独立した環境を提供する、新しい形のメール配信サービスです。そのシステム基盤としてGMOクラウド Publicが採用されました。今回は、同社の代表取締役を務める安原大策さまに、GMOクラウド Publicの採用に至った経緯やその効果などについてお話を伺いました。
クラウド導入による効果
ご利用中のサービス
GMOクラウド Public パックシリーズ
業種
SI・情報サービス/ソフトウェアベンダー
-最初に、御社の提供する『ワイメール』がどのようなサービスなのかを教えてください。
安原さま 「ワイメールはいわゆるメール配信サービスなのですが、ユーザーごとに完全にリソースの独立したサーバーから配信を行うのが大きな特長です。サーバーごとに専用のIPアドレスを割り当てており、一般的なメール配信サービスのように他のユーザーと同じサーバーやIPアドレスからメールが送られるということがありません。サーバーリソースはクラウド上で柔軟にスケールするため、急激に負荷が高くなったような場合でも確実に配信できる安定性を備えています。」
-そのシステム基盤にGMOクラウド Publicが選ばれたのはなぜでしょうか?
安原さま 「まずクラウド化に至った経緯からお話しすると、もともとは個人事業としてメール配信のためのWebアプリケーションの開発と販売を手掛けており、その関連でサーバー環境としてVPSサービスの取り次ぎ販売なども行っていました。しかし、やはり弊社のWebアプリのためだけにサーバーまで運用しなければならないとなれば、利用するお客さまにとっては障壁が高くなってしまうので、ホスティングも自社でやる体制にできないかということを模索していたのです。
そのための環境としてVPSも選択肢にはあったのですが、もっとリソース配分やサーバー構成などの自由度が欲しいとも考えていました。そこで候補にあがったのが、GMOクラウド Publicです。メール配信サービスというのは、一般的な構成だと、複数のSMTPサーバーから、適切な負荷分散をしながらいかに早く安定して配信を行うかがポイントになるのですが、その場合従量制の料金体系でなければコスト面で折り合いが付けられなくなってしまうんです。これを定額サービスとして提供するためには、限られたリソースの中でその配分を柔軟に増減できる仕組みが必要でした。
株式会社イグレックス
代表取締役 安原 大策さま
それに加えてワイメールの場合には、ユーザーごとに完全に独立した仮想サーバーを用いる構成にすることで、特定の仮想サーバーの負荷が上がっても他のユーザーに影響しないようになっています。このような仕組みを実現するにあたって、GMOクラウド Publicのリソース型の課金体系がよくマッチしていました。
もうひとつの大きなポイントがユーザーテンプレート機能※です。弊社のサービスの場合、ユーザーごとに独立したサーバー環境を使うので、同じような構成で大量のサーバーを立ち上げる必要があります。そのため、運用面のことを考えるとサーバー環境を量産ができる体制を構築する必要がありました。テンプレートを活用すれば、ワイメール向けに最適化された環境のコピーを簡単に作れるので、セットアップの作業を簡略化できるのではないかと考えたのです。」
※ユーザーテンプレート機能:GMOクラウド Publicでは、仮想サーバーのOS環境をカスタマイズしてユーザーテンプレートとして保存できます。たとえば、仮想サーバーにアプリケーション環境を構築したものをテンプレート化して、同じ環境の仮想サーバーを手間なく複製することができます。
-サービス基盤の設計や開発はどのように行ったのでしょうか。
安原さま 「最初に御社に実現したい仕組みの要望を出して、営業担当の方とできること、できないことなどを具体的に洗い出しながら、最終的な構成を考えていきました。結果として、ほぼ最初に描いていた通りのシステムを作ることができたと思っています。御社にはこちらの要望に対して非常に柔軟に対応していただいたので感謝しています。たとえば今回、システム・セットアップのための手順の確立などに関して、御社に技術的なコンサルティングやサポートをお願いしたのですが、細かな要望にも迅速に対応していただきました。そのおかげもあって、諸々の手続きなどを含めても、ほぼ半年でサービスを立ち上げることができました。」
-実際に運用してみての感想や効果を聞かせてください。
安原さま 「まず、リソースの仕入れや管理などに関するストレスがない有り難さを強く感じています。クラウドの場合、リソースそのものを「必要なときに必要な分だけ仕入れ、不要になったら返品する」という運用ができるので、機材の調達に頭を悩ませることがなくなりました。コスト面でも、従来のVPSに比べると原価を50%強にまで削減することができています。 安定性にも満足しています。メール配信サービスの場合ユーザーの使い方次第で負荷が大きく変わるという特性があるのですが、それに対してはオートスケール機能で自動的に対応できるので、限界値を突破して配信停止に陥るということがありません。そういった点も含めて、インフラの管理もすべて任せることができるので、本来の業務に集中できるという点が大きなメリットですね。
テンプレートも期待通りの効果をあげていますよ。現在の運用だと、申し込みをいただいてからテンプレートを元にして仮想マシンを作成し、DNSなどユーザーごとの個別の設定を行うスクリプトを実行して環境をセットアップするのですが、この作業自体は20~30分ほどで完了できます。弊社のビジネスモデルに本当によくマッチしていると感じています。」
-今後GMOクラウドに期待することはありますか。
安原さま 「今回、御社の対応には非常に満足しています。さまざまな要望に対して親身になって検討してくださいましたし、新機能の開発もどんどん進んでいて、企画当初ではできなかったことなどがリリース時にはできるようになっていたりしました。GMOクラウド Publicにして良かったと感じています。この調子で、ぜひクラウドのスタンダードの地位を目指して欲しいと思います。御社の事業が業界スタンダードへと成長することで、利用するユーザー側としても安心感を持つことができます。弊社のワイメールの説得力にもつながります。契約者数は順調に伸びているというお話を伺っていますし、API提供などの新機能も投入されるということなので、これからも大いに期待もしています。」
ーお忙しいところご協力ありがとうございました。
※本インタビューは、2012年に行いました。
株式会社イグレックスさま 企業サイト
http://www.igreks.jp/co/
会社名 | 株式会社イグレックス |
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本社 | 〒190-0034 東京都立川市西砂町3-66-19 |
事業内容 | WEBアプリケーションの開発・販売・保守業務 インターネット取引商品の販売仲介・斡旋業務 |
Webサイト | http://www.igreks.jp/co/ |
「ワイメール」
ワイメールは、クラウド環境を通じて提供される高機能・高品質なメール配信サービスです。契約者は、100Mbpsの回線帯域に接続した独立したサーバーを個々に割り当てられるため、メール配信時には常に安定的な速度が期待できます。
※製品名および会社名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
※本インタビューは、2012年7月時点の情報です。